ケースの中はマジックミラーで中から外は見えませんし、音も漏れません
中にいる人は事後のマスクオフ顔を見ざるを得なくてかなり恥ずかしいようで
「ネ~ネちゃ~ん?あなたVRスーツでクマのぬいぐるみ着たところを体験してたのね」
「うそ…見てたんですか?」
「思考から見た物まであなたの情報全部把握してるわ。その時のデータよ。ほら」
「しかもお家でお姉さんに抱っこしてもらってると…」
「やっ…!消してください!!」
「あのスーツ、自分で体験したいモノをイメージすれば見る事ができるわけなんだけど…」
「奈々ちゃんにだいぶ優しくしてもらってたみたいね。」
「もうやめて下さい…」
「寧々ちゃん…さっきあんなこと言ってたけど本当は相当な甘えんぼさんじゃない。お姉さんにいい子ぶってたの演技かと思ってたんだけど…言うほど演技ってワケでもなさそうねぇ?」
「おばさん…今日のデータ絶対お姉ちゃんに教えないで下さい…」
「そりゃ当然よ。いい子のフリ演じてればお家でもやってくれるかもしれないわよ?」
「でもぬいぐるみ着て抱っことか絶対してくれなそう…」
「それなら治療名目でお姉さんと一緒にいらっしゃい。またVR見せてあげるから」
「あの…」
「あら、響矢君…?」
「そのスーツ僕らが試着試験する予定でしたよね…?」
「え、ええまあ…でも終わっちゃったわ。ゴメンねインナー着てもらったのに」
「約束の時間になっても呼ばないから聞き耳立ててたんですけど…落合先輩の妹さんですか…。なんかウラありそうですね…」
「しかも落合先輩…うーわ、事後でなんかエロい顔してるしー!」
「あのっ…お姉ちゃんに言わないで…」
「寧々ちゃん、そんな怖がった演技しなくても本性知ってるから。それに先輩寧々ちゃんの事溺愛してるからイメージ悪い事信じないよ。僕が怒られちゃう」
「ぼ、僕?お姉さん、ボクとか言う人なんですか?」
「…この子男の娘なのよ。」
「ええ…」