キャンペーン(処刑)

前回の続きです
凪沙さん、朝から風紀委員お手伝いの初仕事です。

「ねー、誰も来ないね」
「来てはいる。ただ居なくなるだけだ」
「なんで？」

「鏡見てわからないのか。不審すぎるだろうが」
「なんでー？」

「そんなに悪の秘密結社の戦闘員に見える？」
「私はよく知らんが水上が言うならそうなんだな？」

「それとだな…」

「これをキャンペーンのマスコットというのは厳しすぎるだろう。」
「そうかなあ…？」

「ええ…いいじゃん。悪い事したらこうなるよって。」
「刺激が強すぎるだろうが。」

「中の人晒しとか貴様どれだけ恥をかかせば気が済むのだ？」

「だって忘れ物する事を恥だと思ってないんだもん。逆ギレするぐらいだし。これぐらいしなきゃ。」
「とは言ってもだな…」

「どいつもこいつもチラッと見て血相変えて反対側の入口から教室に向かうばかりだぞ。
もはや我々、階段を護る番人のようではないか。」
「そんなに怖がらなくったって…」

「んー…まあ、ホームルームで啓蒙プリント配るからいっか…」
「さすがに早矢の事は書かなかったぞ。」

「いいよいいよ。今週いっぱい校内では早矢ちゃんあの格好だから。」
「なんだと！？」

「凪沙うそでしょ…」
「マジマジ。看板は下げてもいいから。胸に生徒証貼っといてね」

「貴様、そんな事先生方が…」
「先生達が厳しくやれって言ってたから。やるって言ったらドン引きしながら許可したよ。」

「こんな罰が学校外に知れ渡ったら我々の学校の評判が…」
「その辺のSNS対策は万全だよ。たとえば…ちょっとそこで2人で立って。」

「こうやって写真撮るでしょ？私のスマホではちゃんと写るけど…」

「普通の人のスマホでとったら白飛びするようになってるんだよー♪
撮ったところで起こるのは幽霊騒ぎー♪」

「おい！！」

「私のマスクは仕掛け何も無いのか！？」
「制服が写真撮れなかったら問題だよ…マスクもブレザー生地だし…」

「…マスクのデザインお気に召さないなら変えよっか？」
「マスクが要らん！」

「と言うわけで水上のうつけ者どうにかなんか？」

「そんな事いっても知らないし～」

「あーもう。クラスのみんな教室の外から傍観してるし～…。
面倒くさいヤツが面倒くさいヤツに絡まれてるくらいの認識～？」

「なあ、森川！アイツの操縦方法を教えてくれよ！？」

「んなこと言ったって、私は一緒に乗っかるタイプだし～
…ちょっとさー、これみんながどうにかしないと学園生活に関わる事なんだけどいいの～？
私はどうでもいいから放っとくよ～？」

聖子と龍騎しか写ってないけどエリーもいる3年5組の教室でした。

さてこちらも他に演劇部員が多い4組の教室ですが…。
「…先生…マジでこんな事許可したんですか？」

「し、した事はしたけど…」

「まさかこんな格好で授業を受けさせられるとはねえ…
ま、コレに懲りてちゃんと提出物出しなさい。
あなたの部長さんだって何一つ正しくなくても物は出すのよ？」

「うう…」

「早矢ちゃん、忘れないように代わりに洗濯物持ってきてあげるから！」
「そうだな。俺も部活前に宿題手伝ってやるよ。」「あ、ありがとう…」

「にしても水上鬼だな…」
「落合さん、あの人とずっと付き合いあって苦労してるんじゃない？」
「いや～…このパターンはさすがに少ないから…」

さてその後ろで一晩中ギチられてた妖さん。
呼吸できないわ眠れないわで顔色最悪なのでマスクしてます。
「うう…」

「そんな顔色悪くしないでよ～…私がメチャメチャやったみたいじゃない…」
「メチャメチャじゃない…稲城さんあのまま私の上に乗ったまま寝たし…」

「稲城さんなにやってるんですか…？」
「生徒会長やめさせられてからもなんか権力持ってんのか？」

「ちがうちがう！！変な誤解するのやめて！！」
「2人とも…稲城さん恐ろしいから手を出さない方がいいよ…」